大きく、どっしりと。すいかはそう育てられてきた。いっぱいの太陽を浴び、十分に水を吸い、自らの果肉に瑞々しさを蓄えながら。
収穫され、店頭に並べられても、大きく、どっしり。他のどの果物も差し置いて、すいかはその威容と存在感を、辺りに見せつける。
一人の少女の手に取られるまでは。
網に入れられ、少女に浜辺へ運ばれたすいか。網から出され、照りつける太陽の下に置かれ、そのままじっと待ち続けた。無慈悲な棒切れによって、叩きつけられるように破壊されるまでは。
ぱっくりと割られ、真っ赤な果肉が剥き出しになった。
すいかは恥をかいた。大きく、どっしり。どうせ割られてしまうのなら、そんなものが、何の役に立つというのだろう。剥き出しの果肉。無秩序に散乱した、赤い果肉と黒い種。
無防備になったすいかは、棒切れの衝撃のままに、真っ白な砂の上でふるふると震えた。
2008年09月04日
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